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2009.10.6

屋外ジャムセッションが始まった!

馬場正尊
 

この日は朝からただならぬ空気が流れていた。
なんだか隣の家、そしてその前の庭が、どうもザワついている。
いつもは、ほとんど一人で外のデッキチェアに座って、
音楽を聴いたり、PCで仕事をしていたり、食事をしている音楽家の隣人。
でもこの日は、見慣れない顔がたくさんいる。

しばらくすると、ブロロロッーという重低音が聞こえて来た。

な、なんだこいつは!
これで公道を走っていいのか、と疑いたくなるようなジープが、
突如として庭の中に入って来た。
どうみてもアーミー仕様、かなり本格的な外装。

まじに、今日は何が始まるのだろう?
そしてこの人たちは、一体、何者なんだ!?

しばらくすると、庭にさまざまな楽器が並び始めた。
アンプやスピーカーも入って本格的。
ビールを片手に音合わせをしている。それが妙にかっこいい。

そしてセッションが始まった・・・。

す、すげー。
近くの住人たちも集まって来て、贅沢なプライベートライブ。

見慣れた隣人が別人に見える!
生演奏の迫力はすごかった。

演奏は休みを挟んで(休憩中は、どうもサーフィンに行ってたようです)、
夜の部が再開。夕暮れらしい落ちついた選曲だった。

プロのミュージシャンは、ちょっと音合わせをして、
「じゃ、次、行こう!」
っていう感じで次々に曲を演奏していく。
まるで会話でもしているかのように。

誰に見せるわけでもなく、ただ自分たちが楽しむための演奏。
その掛け合いは純粋に楽しそうだ。
その様子を、ずっとたたずむわけでもなく、生活のそばでごく自然に聞き流している、僕ら隣人たち。

最高に贅沢な日だった。

僕は今でも、この素敵な音楽家が何者かを、よく知らない。
時折、誰かが来て楽譜をやりとりしながらミーティングしている姿を目にする。
しばしば朝の日差しを浴びながら、屋外で朝食をとっている。
僕の家はガラス張りなので、いるときはほぼ毎日、目が合っている。
そんなときは、ちょっと会釈する。

この距離感が、僕は心地いい。

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このブログについて

東京R不動産のディレクターでもある馬場正尊が、ふとしたきっかけから房総に土地を買い、家を建て、生活を始めるまでのストーリー。資金調達から家の設計、周辺の環境や人々との交流、サーフィンの上達? まで。彼の人生は些細な気づきから、大きくそれていくことになる。馬場家の東京都心と房総海辺の二拠点生活はこうして始まった。
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著者紹介

馬場正尊

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