大正14年。ダイビルが建築された年だ。
この前、久しぶりに大阪に行ってきた。
取り壊される前に、このダイビルを見たかったからだ。そして、このビルに入居している、僕たちの兄貴分、アート&クラフトの中谷さんに会うためだ。
このビルの魅力を僕が語ることなんて出来ないので、とにかく写真で勘弁してください。
(左)エントランス吹き抜け/(右)床のタイル、梁の形状がなんともいえない。 こんなビルであってもやはり取り壊されてしまう予定だ。
レリーフの美しさ、大正14年から積み重なった、その時間とか、その佇まい。今作るといったいいくらかかるのか?などと色々考えてしまう。
僕たちも不動産業をやっているので、単にセンチメンタルな気持ちだけ保存すべきだ!言うつもりはないけれども、やはりとてつもなく残念でならない。
(左)こんな柱が何本もある/(右)これはポストか??今だ現役らしい。 あくまでも、不動産ビジネス的視点で考えると、設備の老朽化はもちろんとして、容積率の問題がこの再開発の理由のひとつだろう。
現実には、このことを抜きに、単純にすばらしい建物だから残そう、だけでは、なかなか難しい。これに対抗するには、答えはある意味簡単で、再開発後の賃料と同じだけの合計賃料が今のダイビルで取れればよいのだ。仮に今の5倍の賃料(根拠はないけど)を出しても入居した、つまり、この古いという魅力に価値を感じる人が多くいれば、それは実現するだろう。
川の対岸から。周辺は既に開発が進んでいる。 そんな考えがあったって良いと思う。
建物とその価値、本当に価値のあるものを価値として伝えたい。
そんな思いをもってR不動産をやっている。
まだまだ、影響力は小さいけど、いつかは、
建物が好きで入居したいという人が、倍の家賃だけどこんなたくさんいます。
なので、このすばらしいビルをすばらしいから残すべきだ。と言えるようになりたい。