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2009.3.31

IDEA CAMP 後編

吉里裕也
 

【ペルソナ&シナリオ】

アイディアブレストから出てきたものを未来のシナリオとして描いてみる作業で
最後のまとめとなった。
ペルソナはアルファベットで表記すると「persona」で、いわゆるパーソナルの意味。心理学の世界では、「心の仮面」という意味もあるらしいが、なにやらあえて、ペルソナというところが意味深だと思った。

さて、ここでのポイントは、
・ペルソナを主人公にして、主人公がどのような体験をするのかを描いてみる
・モノより先にコトを考える
・コトのシナリオが出来れば、モノはおのずとおのずと発想されるはず

ということだ。アイディアをベースとしたいわゆる妄想小説のようなものだと考えるとわかりやすい。

「隆は28歳、東京で設計の仕事をしている。週末のサーフィンのために、ここ一ノ宮を訪れる。毎回彼女と一緒にやってくるのだが大きな悩みがあった・・・・・」

というように、誰がどんなことをして、どう感じるのか?というようなことを、各課題に対して、ひとりひとりが発表をして終わりとなった。


ワークショップの成果。アイディアの残骸。

メンバーみな、とってもうまい発表だった。きっと大学のときから建築を学んでいる人が多いからだろう。建築って、現実に実現するまではかなりの時間を要し、特に学生のころなんて、ほとんど妄想しかやることがない。
建物を建てるときは、いつも図面のなかを妄想してデザインする。廊下の奥の天井から光が差してる。とか、ここに座ると桜の木が見えるはず。とか。。
建築に限らず、モノを創るときっていつでもそうかもしれなけれど。
今回のIDEA CAMPは、ある意味、ものづくりのトレーニングであり、そして、モノやコトを、誰が、なぜ、いつ、どうやって使うか?といったマーケティングのトレーニングといえるのかもしれない。


【場所の重要性】
こんなワークショップを朝10時から夜の7時くらいまでおこなったわけだが、やっぱり場所が重要だと思った。もし、いつものオフィスでやっていたら、電話やらメールに邪魔されたことだろう。いつもの東京からちょっとだけ離れた房総の自然の中でということが、いつもと違うテンションを作り出していたとも思う。

さらに、今回の会場の馬場邸は、ある意味ワークショップ空間と言ってもいいくらい素敵だった。緩やかにつながりつつ、微妙に区切られた空間構成そのものが、場の空気を活性化していた気がする。


真っ白で床壁天井もあいまい。部屋のつながりもあいまい。頭の中をフラットに保つための、とてもニュートラルな空間だとも言える。

今、ちょっと変わった設計のプロジェクトを進めている。線路際の細長い敷地に賃貸集合住宅を建てるプロジェクトだ。ちょうどいろんなアイディアが欲しいタイミングで、このIDEA CAMPでの方法を試してみようと思う。

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このブログについて

房総の魅力に取り憑かれて早数年。サーフィンを始めたのがキッカケだった。ある時からこの場所が、まだ未開だけど、とっても魅力的な場所に見えてきた。
波はイイし、魚は美味いし、自然も多い。そして、東京から近いし、土地の値段も手ごろだ・・・。ふと気がつけば、家まで買ってリノベーション中。
いつもは東京、福岡、金沢、たまに海外と飛び回り、色んな計画に没頭。
一見、関係ないような出来事がキッカケで、いつのまにか面白いプロジェクトへとつながっていくのがおもしろい。
しかし、時間ができたら安息の地、房総へ。「房総R不動産」を始めたのはサーフィンに行く口実といわれてもしょうがないか。
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著者紹介

吉里裕也
SPEAC 代表取締役
R不動産 代表取締役
TOOLBOX 取締役

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