【ペルソナ&シナリオ】
アイディアブレストから出てきたものを未来のシナリオとして描いてみる作業で
最後のまとめとなった。
ペルソナはアルファベットで表記すると「persona」で、いわゆるパーソナルの意味。心理学の世界では、「心の仮面」という意味もあるらしいが、なにやらあえて、ペルソナというところが意味深だと思った。
さて、ここでのポイントは、
・ペルソナを主人公にして、主人公がどのような体験をするのかを描いてみる
・モノより先にコトを考える
・コトのシナリオが出来れば、モノはおのずとおのずと発想されるはず
ということだ。アイディアをベースとしたいわゆる妄想小説のようなものだと考えるとわかりやすい。
「隆は28歳、東京で設計の仕事をしている。週末のサーフィンのために、ここ一ノ宮を訪れる。毎回彼女と一緒にやってくるのだが大きな悩みがあった・・・・・」
というように、誰がどんなことをして、どう感じるのか?というようなことを、各課題に対して、ひとりひとりが発表をして終わりとなった。
ワークショップの成果。アイディアの残骸。 メンバーみな、とってもうまい発表だった。きっと大学のときから建築を学んでいる人が多いからだろう。建築って、現実に実現するまではかなりの時間を要し、特に学生のころなんて、ほとんど妄想しかやることがない。
建物を建てるときは、いつも図面のなかを妄想してデザインする。廊下の奥の天井から光が差してる。とか、ここに座ると桜の木が見えるはず。とか。。
建築に限らず、モノを創るときっていつでもそうかもしれなけれど。
今回のIDEA CAMPは、ある意味、ものづくりのトレーニングであり、そして、モノやコトを、誰が、なぜ、いつ、どうやって使うか?といったマーケティングのトレーニングといえるのかもしれない。
【場所の重要性】
こんなワークショップを朝10時から夜の7時くらいまでおこなったわけだが、やっぱり場所が重要だと思った。もし、いつものオフィスでやっていたら、電話やらメールに邪魔されたことだろう。いつもの東京からちょっとだけ離れた房総の自然の中でということが、いつもと違うテンションを作り出していたとも思う。
さらに、今回の会場の馬場邸は、ある意味ワークショップ空間と言ってもいいくらい素敵だった。緩やかにつながりつつ、微妙に区切られた空間構成そのものが、場の空気を活性化していた気がする。
真っ白で床壁天井もあいまい。部屋のつながりもあいまい。頭の中をフラットに保つための、とてもニュートラルな空間だとも言える。 今、ちょっと変わった設計のプロジェクトを進めている。線路際の細長い敷地に賃貸集合住宅を建てるプロジェクトだ。ちょうどいろんなアイディアが欲しいタイミングで、このIDEA CAMPでの方法を試してみようと思う。