ルンバはどうしているだろうか?
期待と不安を胸に家に戻ってくると、
なんと、ルンバも自分の家に戻っていた。
まるで何事もなかったかのように。
ルンバの特徴は電池が残り少なくなったら、それを察知し、
充電器まで戻り、自分で充電を始めるのだ。
まさにロボット。
樹は隣の家に遊びに行って、連れ戻すまで帰って来ないというのに・・・。
ルンバの方が聞きわけがいいではないか。
問題は、ちゃんと掃除ができているか。
僕は靴下を脱いで裸足になり、床のゴミやホコリの状態を確かめた。
砂地に建つこの家は、いやおうなしに砂が室内に上がる。
「き、きれいになっている!」
しかも、椅子やソファの下や、袋小路の僕の部屋まで・・・
完璧だった。
妻が驚喜したのは言うまでもない。
今後、拭き掃除以外の室内掃除から開放されたのだ。
この日から、ルンバは「ルンバ」ではなく、
「ルンバくん」と呼ばれるようになり、家族の一員となった。
しかし、僕らが不在の間、
いったいどのように室内を動き回って掃除を遂行しているのか、
その姿を見た者はまだいない。
今度、ルンバの詳しい生態について観察してレポートする。
オレって、メーカーの回し者みたい?